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素材について

革のうんちく

革のうんちく 当社は原皮の買い付けから行い、ライトレザーやウォータープルーフレザーなどの特殊皮革も自社で企画してきました。その我々が約30年に渡りバイク業界に新しい革素材を提供し続け、また開発し我々の商品に使わせていただいている安心・安全、そして絶大なる信頼のおける革素材の説明をここにさせていただきます。

皮(かわ)から革(かわ)になる過程

多くの原皮は北米から塩漬けの状態でコンテナ単位で輸入・搬送され、タンナーのもとへ入荷してきます。

まず、原皮は塩抜きのために水洗いされ、フレッシング、石灰による毛取り作業などが行われてから、なめしの工程に入ります。なめしの工程はさらに多くのものがありますので、ここでは代表的なものを簡略にご紹介させていただきます。

「タンニンなめし」と「クロムなめし」

革のなめしに関しては、簡単に言えば大きく分けて2種類のなめしがあり、一つは「タンニンなめし」、もう一つを「クロムなめし」と言います。「タンニンなめし」の「タンニン」とは「柿の渋」のことです。タンニンなめしはあまり一般的なものではなく、主として靴底・鞄・レザークラフトで使用する、厚く伸びのない硬い板のような素材と考えていただいていいと思います。

みなさんが目にするものでは、例えばルイ・ヴィトンのバッグに使われている取っ手部分やレザーシューズの底に使われていたり、レザーウォレットやレザークラフトなどに使われる”ヌメ革”といわれるものを考えていただきますと解り易いかと思います。ルイ・ヴィトンのお店に入りますと、独特のツンとした匂いが鼻を突くように感じられますが、これがタンニンの香りと考えていただいても差し支えないと思います。

大雑把ですが、タンニン以外の方法でなめされたものが、次に説明します「クロムなめし」にあたるといってもいいと思います。「クロムなめし」に使われる「クロム」ですが、これは3価クロム塩を基本としており、害のあるとされる6価クロムとは違い、自然界に存在するものですので安全性は高いのではないかと考えております。

現在の技術ではクロムを使っていない、全く新しいエコなめしの技術も確立していますので、今後はこのような革がどんどん出てくるだろうと考えています。また、黒い革と白い革をなめす場合には使用する薬品も異なり、白い革をなめす場合はジルコニウムを使用して芯まで白い革を作ることもできます。以上が大まかな、なめしの工程となります。

革の2次加工

なめしと同時に加工することで、革でありながら扱いやすい機能を持たせた革になります。

ウォッシャブルレザー(洗える革)

ウォッシャブルレザー(洗える革)中性洗剤を使用して家庭で洗える皮革です。革では不可能とされていた洗濯(ドライクリーニング・ウェットクリーニング共に)を可能にしました。洗濯後の面倒な後処理も特に必要がなく、汗(酸性・アルカリ性)にも変色・退色しないので革の持つ風合いを変えることがありません。

  • ※洗濯機の使用は避けてください。
  • ※中性洗剤以外の洗剤や漂白剤などは使用しないでください。

ウォータープルーフレザー(防水加工革)

ウォータープルーフレザー(防水加工革)フッ素を浸透させることで防水機能を持たせた革です。ウォータープルーフレザーを袋状にした中に水をはって約12時間ほど放置しても革の表面を透過した水漏れが一滴もありません。

  • ※加圧状態、縫製部のシーリング加工は含んでおりません。

ライトレザー(軽量革)

ライトレザー(軽量革)皮革製品に共通して言えると思われる、あつみを優先させると強度がある反面重くなり、薄くすると強度は無くなるが軽くなるという相反する面を特殊な加工を施すことにより厚みを維持しつつ軽量化したのがライトレザー(軽量革)です。同じ厚みの革と比べると約30%軽量化(当社比)しつつも、厚みはそのままですので革の持つ引き裂き強度を十分に保ちます。

  • ※使用する用途により、革の厚みは異なります。

エコレザー(環境に優しい革)

エコレザー(環境に優しい革)エコレザーとは・・・

  • 天然皮革であること
  • 排水・廃棄物処理が適正に管理された工場で製造された革であること
  • 革の化学物質(基準で規定された化学物質)については基準値をみたしていること

と、上記のように「日本皮革産業連合会(JLIA)」の定める認定基準があります。
従来は革のなめしにクロムといわれる薬品を使用してなめしていましたが、エコレザーのなめしにはそのクロムを使用しておりませんので革から有害物質は検出されません。
「日本エコレザー認定革」認定番号090002

革の厚み

革の厚み 革の厚みは動物の種類や、牛の中でもその品種によって大きく異なり、厚い物になると1枚の革を3枚に漉いて製品にできることができるぐらい厚い物もあります。

一番上の表面は、皆さんもよく目にすると思われる、吟面のツルっとした部分とその下側の床革(とこがわ)の部分に分けられ、床革部分の用途はベロアシューズや鞄などに加工され、更にその下の部分は溶接等に使う作業用の手袋に使用されていたりします。

近年では床革の部分に薄いフィルムを貼り、吟面に似せたスプリットレザーと呼ばれるものや、表面をならしてラッカー仕上げにしたものなど、合皮とも本革とも分類されにくい様々なものが登場してきています。

また、このような革をエコレザーと呼んでいるところもあります。この床革には革本来の伸縮性はほとんどなく、引っ張り強度の面に関しては決して強いとは言い難く、あまり伸び必要としない製品に使われる傾向があります。

革の各種仕上げ方法

G-Type(ラッカー仕上げ)

G-Type(ラッカー仕上げ) 革の表面仕上げで一番多い仕上げ方法はG-Type(ラッカー仕上げ)と呼ばれ、簡単に言えば車をスプレー塗装するような感じの仕上げ方法とほとんど変わりありませんが、使用される塗料は伸びや折れにも強く、剥離しにくい塗料が使われています。

G-Typeの場合、スプレー塗装ですので艶などは好みで調節でき、シャイニー(艶あり)や、マット(艶消し)などのように仕上げることができます。それは使う塗料の性能が近年大幅に向上しているためです。

また、G-Typeの特徴としては塗装仕上げですので革の傷などがその塗料によってほとんど目立たなくなることで、革を大きく無駄なく使うことができ、色落ちや色の移行の心配も無くなりますし、色のばらつきを抑え、品質を一定にすることもできます。

欠点としては、過度に引っ張りすぎますと塗装面が耐えきれなかったり、長期にわたる使用で塗装面が割れてくるものも見受けられることもあります。

塗装ですので表面に艶がありすぎたり、さわり心地が以下で説明しますD.Dに比べますと悪かったりします。

エンボス

エンボス ラッカー仕上げをしたCグレード等の革を大型プレス機にセットし、凹凸のある金型を使用してプレスすることで、革の表面にオーストリッチやクロコダイルなどの模様を型押しして小さな傷などを目立たなくすることで品質や見た目を向上させます。

前述のように傷が目立たなくなるため、大きい物の裁断がしやすくなったり、希少性の高い革のレプリカを作ることもできます。

車のレザーシートや、応接間のレザーソファーなど大きく使われている部分によく用いられ、これらの商品をよく見れば革のシボ(革のシワ)が全体的にほとんど均一ですので簡単に見分けられるかと思います。

D.D(ドラムダイド)

D.D(ドラムダイド) 次に多くみられるのは、染色用の専用ドラムで染めた革の表面(吟面)にバフ加工や、ポリッシング加工等しか施さず、吟面に程よい艶を出したものがD.D(ドラムダイド)と言われるものです。素上げというとピンとくる方もいらっしゃるかと思います。

ウォッシャブルレザーやウォータープルーフレザーなど(革の2次加工の項目をご参照ください)は、この仕上げをベースに、さらにフッ素やその他の薬品などを浸透させながら革を仕上げていきます。

D.Dの場合、G-Typeのように塗装を施しておりませんので、表面の傷を目立ちにくくすることができないために、吟面の良いものを選別してから染色をすることになります。

傷の少ない、良質な革を選別して使うようになりますので必然的に革の単価は高くなり高級商品に使われる傾向にあります。また表面加工を施していない革ですので、手触りがとても良い感じのものになります。

日本国内での革取引に関しての規格表示

日本国内での取引基準はデシ[desi]と言われ
10cm×10cm=1desiと表示されます。
国際取引での革の取引基準はスクエアフィート[square feet]と言われ
1feetX1feet=1s/f(約30cmX約30cm=1s/f)と表示されます。
1s/fは約9.29deciですので、1desiが40円の革ならばs/fで371.6円となり、
数式は40X9.29desi=371.6ということになります。

牛革

ステア―ハイド(steer-haide)

厚み 1.0~2.5mm
主な使用 靴・鞄・野球グローブ

ステアーハイド(steer-haide)雄牛で精肉用としてアメリカ・テキサス州で放牧、飼育されているものが多く、今現在市場に出回っている多くの牛革は一般的にはこのステア―ハイドが基本となっており、シカゴ相場といわれ世界のプライスリーダーとなっています。

与える飼料との関係が大きく関わってきますがきますが、だいたい3年ほどで精肉用として加工され出荷されてします。これ以上育てる場合もありますが、その分飼料(コスト)がかかってくるために、あまりそのようなことはしません。

なぜ3年なのかと言えば、「効率的に一番良い」という単純な理由からです。

また、冬場に取られる皮と夏場に取られる皮では、夏場に取られる皮の方が上質な革に場合が多く、冬場は日本と異なり多くの牛が牛舎に押し込まれるためにストレスや傷の治りが遅くなるために質の悪い皮になっていることが多いそうです。ですので、相場も冬場よりも夏場の方が効果になる傾向です。

ステア―ハイドの特徴としては厚みが十分に取れることから主として靴・靴底・鞄に使用され、薄物の商品には向いていませんでしたが吟面は繊維が密で、非常に細かく、きれいな肌をしています。

弊社はそこに目をつけ、昭和58年から手袋にも使えるものに加工を施しグローブ用としての革を開発、デュポン社製のケブラー糸を使ったグローブを縫製してステア―ハイドという名前でバイク業界に出し、今現在に至ります。

デイリーハイド(dairy cow)

厚み 0.6~1.1mm
主な使用 婦人・紳士衣料・手袋・家具・車のシート等

デイリーハイド(dairy cow) 雌牛で俗にいう乳牛になります。

こちらもシカゴが世界一の生産地であり、相場もステア―ハイド同様に世界のプライスリーダーとなっています。

日本のホルスタインもこの種類に属しますが、日本の場合は放牧飼育より牛舎飼育の方が多く牛に対する環境を非常に良くしているため、表皮の状態は大幅に綺麗な状態で取れるので革自体の素材が良く、仕上げもよくなります。

ステア―ハイドと異なりあまり厚みが取れないことで、婦人・紳士衣料・手袋・家具・小物入れや車のシート等であまり厚みを必要としないものに主に使われます。

特徴としては一枚の面積は大きいのですが、ステア―ハイドに比べて吟面に細やかさがないという点があげられます。

キップスキン(kip skin)

厚み 0.5~0.9mm
主な使用 高級パンプスやガーメント等

キップスキン(kip skin) 中牛で成牛になる前の牛をキップスキンと称します。

一枚当たりの面積は小さく、成牛の半分ほどの大きさですが吟面の質が非常に細やかな上にタッチも良く、素晴らしい風合いを持ち合わせています。

特に高級パンプスやガーメント等に重宝されています。

カーフ(carf skin)

厚み 0.4~0.7mm
主な使用 高級ドレスグローブ等

カーフ(carf skin) カーフ(子牛)は生まれて間もない子牛をさし、全体の牛の中でも最もタッチが良く、シルクを触っているような感触すらあります。それゆえにあまり市場に出回ってはいませんが、婦人用のもっとも高級なドレスグローブ等に使われていることがあります。

牛革以外の皮革

シープスキン(sheep skin)

厚み ヘアシープ 0.4~0.6mm
ウールシープ 0.5~1.0mm
主な使用 ヘアシープ ゴルフグローブ
ウールシープ ムートンジャケット等

シープスキン(sheep skin) 大きく分けてヘアシープとウールシープの2種類があり、ヘアシープは吟面がとても強く、吟面と床面が剥離しにくいのでグローブなどに使うには最適とされていて、ゴルフ手袋のような革の厚みの薄い物でもかなりの強度が保たれます。

一方のウールシープは吟面と床面が剥離しやすく、強度を必要とされる物への使用には向かないとされます。B-3のようなムートンジャケット等がこれに属します。

ゴートスキン(goat skin)

厚み 0.5~0.9mm
主な使用 カジュアルジャケット等

ゴートスキン(goat skin) 山羊(ゴート)ですが、吟面が他の革に比べると若干硬く、ソフトなタッチを要求されるものには少々使いにくい面もありますが、吟面にペーパー加工を施し、スエード調に仕上げますと非常に素晴らしい風合いに変化します。

紳士・婦人を問わずカジュアルジャケットなどにもかなりの量が出回っていますので、皆さんの目に触れることが多い革の一つなのではないかと思われます。

この革の欠点になるかもしれませんが、他の革と比較して色落ちや色の移行が完全に止まりにくいという点もあります。

ディアスキン(deer skin)

厚み 0.5~0.6mm
主な使用 ツーリング用のグローブ

ディアスキン(deer skin) 革の中でも高価な部類に属するのが鹿革(ディアスキン)です。

吟面が非常に密で、革自体も柔らかく、肌に馴染みやすいという点を合わせ持ちます。

バイクのツーリング用のグローブなどに適した素材といえますが、その柔らかさが欠点となる部分もあり、強度がある素材で補強が必要となる場合があります。

なめしに関しましては他の革に比べて簡単で、特別ななめし技術を必要としなくても、そこそこソフトなタッチに仕上がります。

あまり畜産物として物がなされてなく、天然原皮が主ですので革自体に傷が多く見受けられますので大きな裁断物は取りずらい部分もあります。

カンガルー(kangaroo skin)

厚み 0.5~0.7mm
主な使用 サッカースパイクシューズ・レーシングスーツ

カンガルー(kangaroo skin) オーストラリアが原産地で100%輸入原皮として入荷してまいります。

生産地が他の革に比べて限られているので、単価が非常に高くなる傾向にありますが、カンガルーレザーは革の中でも1,2番に軽く、引き裂き強度にも優れている面からもこの革の右に出る革はないといわれるほどです。

サッカーのスパイクシューズでも上位モデルのものではカンガルーレザーの物が定番となっており、その強度はすでに証明されていると思われます。

ただ牛革に比べて厚みが取れない面があり、厚さを要求されるものには不向きな部分もありますが、前述のように軽さと強度に優れているため、近年ではバイクレース用のレザースーツのように軽さと強度が必要な場面で使用されることが数多く見受けられるようになってきました。

カンガルーレザーで作られたレザースーツの重量は牛革のものと比べた場合、2/3ほどの軽さになるので、運動量が比較的多いバイクレースでは半ば常識となりつつありますが、日本国内でのバイクレースではまだオールカンガルーレザーのレザースーツは認可されていないようです。